「早くこの番組終わらねーかな」
今週のラジオ界隈の熱を、これほど的確に、かつ笑いに昇華して表現した言葉があっただろうか?『空気階段の踊り場』での鈴木もぐらさんのトークだ。
最近のラジオ界で頻発している「ビーフ(揉め事・対立構造)」の話題に触れ、世間が他番組の動向に注目している空気感を敏感に察知。
もぐらさんは「もう俺らの番組なんてさ、誰も期待して聞いてねえんじゃねえか」と自虐を交えつつ、リスナーの焦った本音を「くそ、1時間過ぎろよ。なんでこんな邪魔なんだよ、こいつら」と代弁してみせた。
多くのリスナーが「伊集院光さんのラジオで何か語られるのではないか」とそわそわしていた冷めきった苛立ちを、あえて過剰に演じることで見事な笑いに変えたのだ。
そして迎えた大注目の『伊集院光 深夜の馬鹿力』。多くの人が「ダウ90000・蓮見翔さんのアンサーへの言及」に耳を澄ませる中、番組の構成は絶妙だった。
冒頭で少しずつ匂わせはしたものの、本編はひたすら「伊集院光が面白いと感じること」の熱弁で突き進んだ。
リスナーから届いた「一口食べると女性器、二口目で男性器の風味がする」という謎のポテトチップスに「お前なんで両方の風味を知ってんだよ!」と猛ツッコミを入れたり(実際は東南アジアのハーブ味だったが、リトアニアに本当に18禁ポテチが存在するという奇跡のオチ付き)、尿意満タンでパニックになりながらホラー映画『バックルームズ』を鑑賞エピソード、そして社会派として底知れぬ恐怖を感じさせるNHK未解決事件(北関東連続幼女誘拐殺人事件)の話題まで。
未解決事件の話題は、早朝にradikoで聴いていた僕にとっても本当に怖かった。伊集院さんってこういう怖がらせ方、うまい。
面白いエピソードを立て続けに繰り出し、パーソナリティとしての圧倒的な力量を見せつけた後。結局、蓮見さん案件を持ってきたのは番組のエンディングだった。
「大変ご迷惑をおかけしました」
伊集院さんはそう陳謝し、これ以上細かく触れるつもりはないと前置きしながらも、蓮見さん側が「終わりにしたい」と言ってくれたこと、そしてかつて『深夜の馬鹿力』のリスナーだったことに触れ、「もうグーの音も出ない」と感謝と恐縮を口にした。
さらに「蓮見くんの番組に呼んでくれれば行きますし、こっちで呼ぶなら呼びます」と共演にウェルカムな姿勢を示して着地させた。
面白いことを全力で熱弁し尽くした後に、最後に添えられた謝罪。
そこには、伊集院さんらしいベテランの「プライド」が垣間見えつつも、「さすがにやりすぎちゃったよな」という素直な謝意が滲み出ていた。この絶妙なバランスこそが、最高の返しだったように思う。
番組のCMでダウ90000の宣伝が流れていた。
ピリついた対立構造を、ラジオというメディアの懐の深さと粋な構成でエンタメに磨き上げ、きっちりと幕を下ろした。これで良かった、そう思える放送だった。
さて、明日親しい芸人同士が争った際の緩衝材でもある爆笑問題太田さんは何を語るのだろうか?ここも単勝オッズ低めなおもしろトークの期待値が高いと見ている。


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